お墓とは?

「自分は次男で子どもはいません。自分たち夫婦が他界した場合は2人とも私の本家のお墓に入れますか?」
という質問がありました。

論理的に言いますと、「入れません」という結論です。
1つのお墓には直系しか入れないのです。これは鉄則で特例はありません。
その理由は、次男は結婚すると1つの世帯が創設されるからなのです。
つまり次男が結婚したら本家から独立した「分家」になるのです。

どうしても次男夫婦が本家のお墓に入りたいのならば、お嫁さんを本家の親の養女にし、さらに戸籍上で離婚して分家の創設を消滅させると、2人は本家の子ども同士になります。そうすると本家のお墓に入るのが可能です。
しかし、あまりにも現実離れした方法ですので非常に違和感があるでしょう。

確かに、質問者のようにお子さんがいらっしゃらないケースでは、次世代にお墓を守る人がいません。そのような方には、お墓を新たに建てる必要がない永代供養などが適切なのかなと思います。

近年では、散骨や樹木葬などの新たな供養方法が話題になっていますが、
私の個人的な見解をすると、これらは推奨したくありません。
その理由として、
散骨は、法律的に厳しい条件が多く求められています。果たして、人生最期の旅立ちで法律に気をつかう「散骨」を選択するのが良い供養でしょうか。
また樹木葬は、新しく考案された供養方法です。これを提供する業者も経験が浅く慣れていません。さらに、その業者が30年50年という長期にわたって安定した運営をしていけるのかは未知数です。

実際、この世に人間として生まれた唯一の証が「遺骨」であります。
心からの敬意を表現する対象ですから、崇高に考えなければなりません。
そもそもお墓とは、
本人の功績と社会貢献を賞賛する報奨としての記念碑であり、「なきがら」をおさめて故人の安らかなる永眠と、自分ら世代への守護を祈念する尊い場所なのです。
私としては、この世に生きた証をカタチとして残してほしいと思います。